ゆるゆるり

いろんなオタクを反復横跳び

髑髏城の七人 season鳥

 

覚書

 

捨之介:阿部サダヲ

裸の大将な捨之介。お、おにぎり食べるんだな。ナニコレ?!?!新しすぎるうつけ捨之介像に度肝抜かれる。蘭兵衛に「戦で頭でもやられたか。」と言われる捨之介って(笑)そのくせタイトルバックの殺陣かっこいいんだが?無界屋シーンもあんな衣装で歌い踊る捨之介ってアリですか。サダヲさんのポテンシャルの愛嬌もあってかわいい捨之介。

天魔王と相対してからは、スイッチオンで殺意剥き出し。捨之介と名乗りながら、殿を救えなかった後悔、天魔王への怒りや殺意、何も捨てられていない捨之介。この捨は忍なので、おにぎり然り天魔王への攻撃方法なども火薬を仕込んだりと今までとは全然違うアプローチなのも楽しかった。

夢見酒を飲まされるシーンまるまるカットされてたので、初見だったら分かりづらかっただろうな〜と思った。急に天魔の鎧から捨の登場。天魔王との戦いでのシーンは、地を這うものの戦い方としてものすごく説得力があった。力こそ天魔王には及ばないけれど、地の者だけに伝えた殿の言葉と、地を這ってでも殿のときの二の舞はしない今度こそ間に合わせるという強い決意、そして仲間との絆で天魔王に打ち勝つ。ほんと面白いし奥深いな髑髏城の七人。

他ではなかった地の者捨之介と信長公との描写があったのは面白かった。これまで蘭兵衛や天魔王と信長公は近さや接点を感じられたけど、捨之介と信長公の関係性って天魔王を通しての交流していたという感じで、直接交流したエピソードは語られなかった。でも、鳥では前述した通り、「天が慢心し、民を踏みつけようとしたとき、地の者であるお前が止めてくれ。」という言葉を地の者である捨之介だけに伝えており、捨之介と信長公との絆が天魔王を倒すきっかけになったっていうのが非常にエモなポイントで、髑髏城の七人という作品を奥深さを感じさせられる。

 

蘭兵衛:早乙女太一

みんな大好き早乙女蘭〜〜〜!酒飲みながらふらふら登場。銀髪のビジュアルつよい。相変わらずの殺陣具合。槍ビューン。無界のメンバーと笑ってたり、ワカドクロの頃と比べると大人になってるし、それゆえに落ち着きがある早乙女蘭。喋り方も柔らかくて優しい。無界の人たちとも楽しそうに笑うシーンもあって丸くなったねぇ早乙女蘭。でも、早乙女蘭には独特などうにかなってしまいそうな危うさもあってそこが好きです。

髑髏城へ乗り込んでいくシーン。花でも思ったけど白い彼岸畑どう考えても天才。銀髪、彼岸花をあしらった白い着物、笛吹く早乙女蘭。天才やんけ。言わずもがな殺陣は天才。天魔王の間。歌での口説きって新しすぎて飲み込むのに時間がかかった。直前に見たのが花なので特にここってシリアスに丁寧に口説かなくて大丈夫?てな具合に。なので、え、そのフレーズ天魔王じゃなくて生駒に言わせちゃう?って思う箇所も。ちょっと抵抗するようにもがく早乙女蘭ほんとにズルい。大正解。夢見酒のシーンはワカドクロのときもすげぇと思ったけど、鳥でもやっぱりすげぇ。(語彙力の喪失)

無界屋襲撃は花と同じく、蘭丸からの提案で狸穴狙いで無界屋へ。早乙女蘭、太夫とのやりとりでも少し動揺してたけど、ちょっと苦悩していたようにも見えた。早乙女蘭のズルいところが自分でバサバサ無界の人たちを斬るくせに、弔うような動作もすることで。ほんとなんなの?!?!どういうタイプの外道なの?!?!「この世の悪夢たっぷりと味わうと良い」云々の台詞を蘭が言うのにもびっくり。

天vs蘭シーン。破格の殺陣。レベルが違う。天魔王に右腕を斬られ、左手でも刀を持ってあんだけの殺陣できる早乙女太一って何者?右腕を庇いながらも殺陣するの上手い。そして、やっぱり人知を超える殺陣。(2回目)剣以外の回る動きも綺麗で、素早くて、これ見るだけでも価値ある。天魔王から本当の信長の言葉を告げられたときに、もしかしたら彼は蘭丸から蘭兵衛になったのかもしれない。だからこそ、あともう少しで天魔王の首が取れるというところであんなに顔を顰めたのかな。もしくは、殿の本当の言葉を聞いて、殿が求めていた自分の姿はこれじゃなかったと苦悩したのだろうか。こういう余白を考えるの楽しい。太夫と対峙して、天魔王の盾になるシーンも切ない。「こい!太夫!」と叫ぶシーン撃たれる前にちょっと顔歪めて悲しい顔するんだよな早乙女蘭。もう情緒やられる。

 

天魔王:森山未來

\イグザクトリィ〜!/もうなんなのこのエキセントリックトンチキ天魔王。愉快すぎるだろ。赤い天魔王も新しい。ルー大柴みたいに英語交じりに喋るし、ゴー☆ジャスみたいに地球儀ぐるぐるしてジパーング探すし、生駒ちゃんとおてて繋ぐし、戦の状況説明生駒ちゃんとラップでするし、積極的に笑いも取りに行くネオ天魔王。

かと思いきや森山未來なので、蘭兵衛を口説くシーンの動きが半端ない。蘭兵衛の項でも書いた通り、歌い踊っての口説きなので、もはやダンサー森山未來。そんなもん良いに決まってる。動きがすっごくしなやか。あの衣装もよく映えて見栄えよすぎる。

比較的どのパートでも貪欲にコミカルな部分があって、これまた新しい天魔王像だなと面食らった。ワカドクロのときも思ったけど、森山天って飄々としていていろんな意味で掴めない。新興宗教信長教という表現が確かにしっくりくるかも。

最後の捨之介と戦うシーン「天のお方は天に召された」云々の台詞から、この天魔王は蘭丸を寵愛する殿がどんどん自分の付き従うべき理想とする殿と乖離していくことに耐えられなくなったんじゃないかなと思った。天下統一という天魔王にとっての本当の殿の意思を自分が代わりに成し遂げることこそが殿のためになるって本当に思ってたんじゃないか。だからこそ、殿の死に目に蘭丸への言葉を聞いた天魔王はきっととんでもない絶望感を感じただろうな。天魔王も殿を愛するがあまりに人生を狂わされた一人なんだよな。きっと。

 

兵庫:福田転球

まっすぐで熱いがゆえにちょっとお馬鹿で笑えるところがあるのが私が知ってる兵庫だけど、鳥はだいぶコメディ寄りの兵庫。しかも、妻が亡くなったグレたおやっさんかいな。恒例のくんろギャグ(?)黒ヤギを放牧する兵庫に、突っ込む捨と笑う無界屋メンバーたちめちゃくちゃ幸せなシーンでほっこりした。

舞台経験が豊富なだけあって、安定感がものすごかったな。笑いも取りに行くし、無界屋襲撃後、関八州荒武者隊を見て取り乱す兵庫にはやっぱり泣かされる。この兵庫、他と比べると決して若くないので明るいバカなんだけど、そこはかとなく感じる大人の哀愁が好きだなあ。

 

沙霧:清水菜月

おてんばな女の子!感が強い沙霧ちゃん。「なんか懐かれちゃってさ〜」とこれまた新しいうつけな捨之介との関係性。個人的には渡京とのコンビもナイスペアだったなと思う。

 

極楽太夫松雪泰子

ビジュアルが好きだったので、めっちゃ期待してたんだけど、太夫の気の強さというか芯の強さの部分が他の太夫と比べると弱めなのかな〜と思った。なので、逆に蘭兵衛との切ない儚いシーンではぴったりというか切なさを助長させてたような気がする。

鳥は太夫も歌い踊るので華やかで良いね。

髑髏城襲撃前に兵庫が「テメェが雑魚だと思ってる連中の力を見せてやろうじゃねぇか!」って見得を切るシーン、兵庫のほうを向いてうんって頷く太夫の顔めっちゃかっこいい。

で、やっぱり松雪太夫なので髑髏城での蘭兵衛最後のシーンの切なさ増し増し。こういう切ない顔させると松雪さん天才。蘭兵衛のこと殴りながらも胸に蘭の花を添えて、天を仰ぐ。外道だと名乗った男を極楽へ導こうとしている聖母感がすごい。

 

贋鉄斎:池田成志

もう無茶苦茶じゃねぇか。花贋鉄斎もふざけてるな〜って思ってたけど、この贋鉄斎、もうほんとなんなの。やりたい放題。ハンマーでバチバチにしばかれる贋鉄斎。サダヲ捨との相性も良かったな。素で笑う捨と贋。「暗いからってここは下北じゃないんだぞ!」メタすぎるって(笑)

この贋鉄斎さん刀すんなり作ってくれないんだね。捨に火薬入りの針を仕込まれる贋鉄斎。斬鎧剣の説明全然真剣に聞かないし、無界の地図は食べちゃうし、鳥メンバーキャラ立ちしすぎじゃない???

 

総評

いろいろばっさりカットされてるので、無界屋のシーンくるの早すぎて戸惑うなどした。