ゆるゆるり

いろんなオタクを反復横跳び

ドラマ「ここは今から倫理です。」がクリティカルヒットした話

 

NHKドラマは時たまクリティカルヒットかましてくるのでこわい。

腐女子うっかりゲイに告る」も何度号泣したことか。あの金子大地めちゃくちゃ良かったな〜。思い出し泣きそう。(涙腺ゆるゆる)

 

表題のとおりNHKよるドラ「ここは今から倫理です。」がこの度クリティカルヒットした。え、面白そうと見つけた3話からどハマり、4話終了後。これはブログに吐き出さねば!!!わたしの中で消化しきれん!!!となりブログ執筆している次第です。まじで私なぜに1話からこのドラマを見つけられなかったのか!!!くやしい!!!

 

まずは、ドラマ概要について説明

20代を中心に異例の人気を誇る雨瀬シオリの異色の学園コミック『ここは今から倫理です。』を実写ドラマ化。日々価値観が揺さぶられ続けるこの世界で、新時代のあるべき「倫理」を問う。誰も見たことの無い本気の学園ドラマ。 (公式サイトより引用)

山田裕貴演じる倫理の教師である高柳が、倫理という武器を使って悩める高校生に向き合いながら解決策を見つけ出していくというストーリー。

 

手始めにそもそも『倫理』とは、

①人倫のみち。実際道徳の規範となる原理。道徳。 ②倫理学の略。(広辞苑より引用)

 

カントとか老子とかソクラテスとか、一応大学で哲学の講義取ってたけど、理解できなすぎてそりゃ哲学極めた人自殺するわと途方に暮れたことを思い出した。

そんな難しい哲学も、ドラマのストーリーとして彼らの言葉が引用されると吸収しやすい。どう生きることが正しいのかを考えるときに哲学者の言葉が深みを帯びてくる。

 

私が見始めたのが3話からになるので、ここでは3話からドラマについて好き勝手垂れ流していこうと思います。ここからめっちゃ長いので、読むのが面倒な人は下までレッツスクロール!!!

 

3話主人公深川時代は妹が美しく周りからちやほやされることに関してコンプレックスを持っていた。そんな彼女は大人の気を引くために、物理教師の松田へと迫る。そんな松田から高柳は恋愛相談をうけて。という感じ。

この3話のテーマは、“美しさとはなにか”

松田先生を演じる田村さんがものすごく説得力があっていいんだよなあ。迫られてもがっついたりはしない、でも惹かれてるんだろうなあという様が異常に説得力がある。

松田から恋愛相談を受けた高柳の「青年期はアイデンティティーを確立するその途上にある時期です。松田先生はアイデンティティーを確立している成人。ですので、そんな松田先生と生徒との間にフェアな恋愛関係が成立しうるのでしょうか?」「松田先生とその女子生徒の関係が教師の持つ権力を笠に着て成立しているのであればそれは恋愛ではなくセクハラです。」「弱き者を己の性的欲求の吐け口にしているのではなく?」と言い放った上で「それは愛ですか?性的欲求ですか?」と聞くのがすごい。高柳ど正論すぎてぐうの音も出ねえ。この好きという感情が愛なのか性的欲求なのかって本質的で大人であっても難しい問答。

また高柳は、深川に対して本当の美しさとはなにか、と問いかける。「自分の姿を鏡に映し 美しければ それにふさわしい者となるように 醜ければ 教養によってその姿を隠すように」ソクラテス

文化祭の日、意を決した松田先生は深川を呼び出す。深川は自分にセクハラした音声をボイスレコーダーに録音しようと計画していた。そんな深川に松田先生は告白しようとする。

そこにやってきた高柳は、深川のその行為に大人の気を引きたいのではないかと指摘する。妹に比べれば私なんてと自暴自棄になる深川に対して、吐き出すように「君は綺麗だよ」と投げかけた松田先生に全私が泣いた。この話、全然ハッピーエンドではないけど、二人ともぜってーに幸せになってくれよな。

 

3話は録画を消去してしまったので、台詞等曖昧になってるの許してください…情報すら仕入れず見た3話にてこのドラマの沼にハマるのであった。

 

そして、4話主人公である近藤陸は、唯一の家族である兄に頼まれ良からぬ集団に煙草を届ける。それが良くないことであると分かりながら、考えることを放棄し、兄に流されるように自堕落な生活を送る。そんなある日、兄が商品と金を持ち出して逃げたと良からぬ集団から暴行を受ける。そこに現れたのはジュダと名乗る男で。

4話のテーマは、“善と悪”

倫理の授業で高柳はカントを引用し、「人間は理性的な存在であると同時に自然的な存在である。」と言います。2週間学校へ来ていない近藤陸の地元の話を聞き血相を変えてどこかへ走る高柳。

闇の世界で生きるジュダのバーへたどり着いた高柳は、近藤を連れ返そうとする。「なぜここへ来たか?」を尋ねると近藤はしきりに「分からない」と言う。

そんな近藤の様子を見てジュダは、「人間の本性は悪」であると言う。荀子ハンナ・アーレントの言葉を挙げ、いかに悪が普遍的であるかを述べる。

そんなジュダに高柳はなぜ近藤はここへ来たのかと尋ねる。そんなジュダは「あんたみたいな善には何も教えない。教えたところで分かんねえだろ。」と述べる。そこで高柳は「分からないかもしれません。ですが分かろうとすることはできる。だから問い続けます。」と言い放つ。

普段クールで冷静な高柳も悩み憂い、“善いこと”を苦悩し考えているという人間味が垣間見えてとても素敵な台詞です。

自分が“どうしたい”のか分からずにいた近藤は、ふとクラスメイトからのLINEに気づく。彼らのメッセージを見た近藤は「学校へ行きたい」と告げる。善悪を考えずに流されて行動した近藤へ「ちゃんと考えなさい!」と叱咤する高柳のシーンにも心打たれる。

あらすじはこんなところで、この4話もキャストが素晴らしい。ジュダ役の成河さんがいかに説得力を持って悪について論じられるかというのかこの話のキーになってくるわけですが、まあ圧巻。初見から圧倒されたし、食い入るように見てた。ほんと色気がすごいんだよあ。(小声)

インタビューで、ジュダは闇堕ちした高柳と思って演じたと答えてたけど、ニュアンスとしては見ていてものすごく納得した。倫理を学び、いろんな人や物事に触れた結果、導き出した答えが違った2人なんだろうなと。

ジュダさんが高柳と論争することが、自分のやっている唯一の倫理的な事だと言っていたのでこれからも酒を片手に論争してほしいですね。知らんけど。

 

なんだかんだ長々と垂れ流してきましたが、なにが言いたかったってすっげぇ面白いから見てくれよな!!!!ってことだけなんですよ。

PR動画等も公式サイトにアップされているので、軽率に動画だけでもどうぞ。→ここは今から倫理です。 - NHK

4話TVerで配信中ですし、13日2時25分から再放送もあるのでぜひ!!!5話は同日23時30分より放送です!!!

 

イェーイ!レッツ倫理!(絶対そういうテンションじゃない。)